抗糖化を考える
不可避的に容赦なく進む糖化(糖と人体の化学反応)は老人斑、弾力のない組織を生み出し、糖化が進めば後戻りはできないと考えられている。(図:血糖値-アミロイドβ量) 糖化防止への努力は1千万人を突破('16)した糖尿病の抑止、老化を進めるインスリンの分泌制御も兼ねて多面的に健康に寄与する。世界糖尿病デー(11月14日)を前に考えたい糖化を防ぐ生活上のポイントとは。 低GI食 GI(グリセミックインデックス)とは各食品の糖質量を50gに合わせ食後2時間の血糖値の上がり方を相対的に表した指標。GIはおよそ糖質の吸収度合いを示し、同一食品でも調理法などで数値は異なる。一般的に硬いものは低GIとなるのでスパゲッティやそばは抗糖化的な主食である。米は粒立ちよく炊かれたものが理想的。 低吸収性: 玄米 麺類 > 白米 > パン > 砂糖 シドニー大学 食後インスリン量(2h) INSULIN INDEX パスタ 4,456 白米 8,143 (硬い低GI食は消化の悪さが欠点) パン 12,882 クッキー 15,233 食後の運動 歩く時踏み出した片足に掛かる負荷は優に100kgを超える。糖尿病専門医が「その場足踏みでもいい」「ガニ股での皿洗いもいい」と食後の運動を強く推奨する理由は膵臓の負荷を軽減する大きな効果が見込めるから。食後運動が無理な時は"食前の運動" "空腹状態を作ってから食べる"で代用しても良いと思う。副菜 副菜を主食に加えて食べる(野菜 海藻 豆...)事で胃での消化が遅れ食後血糖値の上昇速度を緩やかにできる。(油を混ぜても効果がある)△脂肪を避ける 硬度のある脂肪は強いインスリン抵抗性に関与し血糖値を下げられない要因に。(体の糖化や糖尿病のリスク)https://diamond.jp/articles/-/253533 > 実は日本人のカロリーと糖質の摂取量は減っている。にも関わらず、糖尿病患者数は増えている。これはエネルギー摂取量に占める脂肪の割合が増えたことと関連が深い。面白いことに糖尿病患者数の上昇カーブは、米国ファーストフードチェーン店舗数や自家用車保有率の上昇カーブと相関する。 肉を食べ過ぎると糖尿病リスクが上昇 魚を食べるとリスクは低下 △果糖を避ける 開いた炭素の腕を無数に持つ果糖は10倍速でAGEを作ると言われ、年齢より早まってシワを作る糖化の職人と呼べる(果糖=砂糖の成分)。『第3の糖尿病』との異名を持つアルツハイマー型認知症は65歳未満では糖尿病患者に特異に多く、65歳以上では女性に多い傾向が見られる。認知症の発症リスク(平成23年度の調査): 脳血管性認知症 男性1.9倍 アルツハイマー型認知症 女性1.4倍 (PDF) https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/48/6/48_6_419/_pdf > グリケーションは糖が開環状態のときのみに引き起こされる。 > フルクトースの開環率はグルコースの約300倍であり,生体内においてグルコースに比べ極めて高い糖化能を発揮することが予想される。 茶類・野菜 野菜や茶類の多くに糖化を阻害する抗糖化能が存在し甜茶、ドクダミ、柿の葉、グァバには、AGE生成阻害剤(アミノグアニジン)を大きく超える抗糖化力が確認されているという。 稀にAGEの分解・排出を促す植物もある。 ヨモギ、芍薬(根)、モロヘイヤ、春菊、サニーレタス 糖化反応抑制素材 > 糖化ストレス抑制作用を探索したところ、お茶をはじめ、昔から体に良いと言い伝えられているものの中には、優れた抗糖化素材がたくさんあることに気づきました。 > 香辛料のショウガ、ニンニク、酢や味噌、醤油、納豆などの発酵食品、 鰹節などのダシ(出汁)にも高い抗糖化活性が見つかりました(表4・図5)。 食欲の開放 「体を壊さずにドカ食いしたい!」 当サイトからのお勧めはポップコーン/白米/餅など。鍋に野菜と麺類を入れるだけの自炊は簡単だ。誰でも“体の焦げ”=糖化を進めてしまいがちな時代、適正でまめな習慣によって健康を維持しよう。
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